日本の祭り

日本の祭りは、家々の神棚や祖先の霊をまつる家庭祭祀から、村祭りと呼ばれる、鎮守氏 「神を中心とした邑落の共同体の祭祀、いい換えると伊勢の神宮はじめ全国津々浦々に及ぶ大小神社の祭祀、また、それらのすべてを統合した形で、天皇のおこなわれる宮中祭杷にいたるまで、 日本の祭りにはみな一貫した精神(こころ)と形がある。

それは極めて豊かな多様性をもって展開 している反面、驚くべき類似と同一性をもっていることもまた事実である。そのことごとくを限 られた紙数の中で記すことは不可能であるが、代表的な祭りを描くことによって、その形を識り、その本質を把握することは不可能ではない。まず一年間を通して、どのような祭りがあるの か、またその祭りはどのような社会的機能をもち、日本の文化の形成にどのような役割を果して きたか、現におこなわれている祭りを通して原型に遡及して考察しつつ 「神と祭りの世界」にわけ入ってみよう。

祭りの種々相