おはらい

摂津の住吉大社では、七月三十一日(む かしは陰暦6月30日)に夏越大被と称し、 やはり茅の輪をくぐる神事である。

同社ではさらに堺の頓宮まで神幸して、 荒和大祓と称して 祓をおこな う。

これが同社の夏祭で、 一般に「おはらい」といえば住吉祭を意味することとされている。

このとき、 「住吉の夏越の被する人は千年の齢延ぶといふなり との神歌を黙奏する。

同社の祭神ツツノヲノミコトは、イザナギノミコトの襖被に際して海の中から出現した神であるので、早くより襖被の神として信仰されてきた。

「おはらい」 は、天平三年の奥書をもつ「住吉大社神代記」に、

六月の御解除

九月の御解除

の記事があり、早く祭良時代より、 恒例化していたことが判明する。

通常、 祓は祭りというより も祭りをおこなうための前提、あるいは準備という べきもので、祓そのものが祭りではないと考えられ ているが、 祓そのものをもって祭りとする風も極め て早い時代よりおこなわれていたわけで、元来は常 に清浄を希求するわが民族の国民性に発した民俗行 事であった。

それが律令制下にあっては国家的公的行事として大成され大祓式がおこなわれて、中世以 降大被式は衰退した後も、全国神社では夏越祓、 水無月祓、おんぱら祭、おはらい等、種々の称呼はあるものの、 大綱は変らず今日に伝えられている。

大祓式は明治五年六月、 その儀式次第が府県に達 せられ、大正三年二月内務省訓令で官国幣社以下神 社における大祓が定められた。

いまも全国神社では 大核は年中行事となっているが、民間における祓の風習が国家的公的行事となったものであるとともに、被の恩想が、御霊信仰と結びついて、疫神 の退散を祈る形の夏祭りとして、 ゆたかな展開をみせているのである。

とくに都会では農事に関 わりなく、炎暑の夏を越すための錯夏の行事ともなっていくのである。

2018年8月19日