エビス神

「毎年一月十日、「十日戎」と称して関西では「戎祭」が盛んで ある。

「商売繁昌で笹もって来い!」という雌言葉に誘われて、西宮神社や今宮戎神社にお詣りし、笹に小判や俵などの縁起物をつけて、これで一年の福を授かったと安心する。

エビス神の原像とその信仰の展開については、 『神道の世界』に記しているので、その方でご覧いただきたいが、この戎祭もわたしはもとは冬至の日に関係があったと思っている。

冬至の日に関係があったというのは住吉大社の末社にある戎社の恵毘須祭が古儀では陰暦十一月二十三日におこなわれていること、エビス神はヒルコ(日子)とされたり、事代主神に比定されたりしているが、海の彼方から寄り来る日神であったことは疑いない からである。

ニヒナへの夜、忌み篭った末に明けて一陽来復の朝 「市」が立った。

その 「市」に訪れる市神 が、海から来る常世の「まれびと」である。

それは海の彼方から訪れる日神(日子=ヒル コ)であ った。 冬至の夜の忌み篭りから明けて一陽来復の朝の「市」に祝福のために訪れる 「まれびと」であり、〝ほがいびと〟にほかならない。

エビ ス神が福神とされるゆえんがそこにある。

2018年8月19日