大神神社の御田植祭

三輪明神、大神神社の御田植祭(おんだまつり)も、旧正月初卵日(現在は二月六日) であった。

官同祝詞奏上のあと、拝殿に神楽男 (田作り男ともいう) が立ち、向拝 間を田圃とみたてて、 忌 鰯·忌鋤·木の牛形·練り棒などを使って、台詞もおもしろく農耕の所作をし、 苗代田の完成を 待って神職の一人が鍛と扇を手にして水口祭を勤め、終って神前の籾種を撤して神楽 男 に 授ける。

神楽男はこの初種をこ脇に抱え、片手に扇子をひろげて大声で祷りのことばを唱い上げ、苗代に籾を蒔く。

ついで神職が八乙女に向って田植にかかるように命ずると、八乙女は揃って吊の 色擦をかけて田に入り、松苗を早苗にみたてて、太鼓に合わせて田植の行事をおこない、畢って 丞子が神楽を奏する。

次いで玉串拝礼のあと、籾種まきとなる。神楽男が籾種を掴んでは参拝者の頭上に振りまくと、人びとは争ってこれを受け、持帰って自分の種籾に加え、三輪の神の加護を祈る。

松苗は苗代田の水口に指しておくと虫害を防ぎ、豊穣を得るとの信仰のあることも同様 である。

2018年8月19日