祭りと社会

フランスの社会学者エミル デュルヶム(1858~1917)は 「社会こそは神である」と断定したが、 その著『宗教生活の原初形態』の中で、 祭りは社会集団 の統合をはかり、精神的連帯を強化する機能をもつことを記している。それはどういうことかと いうと、われわれは社会生活の中で、種々の儀式をおこなっているが、それらの儀式はそこで精 神的なものを認いあげることにょって、集団の成員に社会生活の使命なり責任なりを自覚せしめ る力と機能をもっているということである。

例えば、学校に入れば入学式、卒業の とき は 卒 業 式、会社に入れば入社式、組合や政党その他の団体の大会等、儀式は社会のあらゆるレベルでお こなわれ、そこで祝辞や宣誓が述べられ、それによって人びとは決意を新たにし、誓いを新たに する。これは洋の東西、文明と未開、あるいは体制の如何を問わず、人類に共通の現象である。

その場合、そこに神をまつり、神の前に誓い、神を讃える、いわゆる祭りとなることによって、 一段と強固な社会的統合の源泉とすることができる。

単なる儀式で祝辞や宣誓を述べるのとは違 った意義を生じるのである。

それゆえ、神の存在を認めない反宗教国家における式典では、伝統 的宗教による神を否定した代りに、特定の人物にカリスマ的(charisma 教祖的)権威を与えて、そ の肖像をかかげて、そこで大ページェントをおこなうことによって民衆の心意を統合しようとす るのである。

つまり在来の “神、既成の宗教を否定する代りに、新たな “神=を設定 し、新宗教を創出しているのである。

2018年8月19日